「せっかく入居してくれた群れが、夏にスムシだらけになってしまった」「猛暑で巣が落ちてしまった」——ニホンミツバチの飼育を続けていると、多くの方がこの壁にぶつかります。分かります。私も夏分蜂群7群が全てスムシにやられた経験があります。
そんな悩みに対する答えのひとつが「アオヤギ式巣門台(すもんだい)」です。ただ、オリジナルのアオヤギ式にはいくつかの課題もあります。
そこで本記事では、私が試行錯誤しながらたどり着いた改良版、いわば「けーあい式」の巣門台の作り方を、構造の考え方から製作手順まで丸ごと解説します。
この記事を読むと、以下のことが分かります。
- アオヤギ式巣門台の概要、そのメリットや弱点
- 安価なプラコンテナとトリカルネットで作る「けーあい式」の工夫点
- 材料の選び方・入手先・寸法の目安
- ステップバイステップの製作手順
- カセット式巣門枠を使った季節ごとの切り替え方
使用実績はこれからですので、あくまで「こんなやり方もあるんだ」と肩の力を抜いて、DIYを楽しむ気持ちで読んでいただければ嬉しいです。

はじめに:なぜ巣門台の改良が必要なのか
日本蜜蜂飼育で巣門台が果たす役割とは
ニホンミツバチの重箱式巣箱(じゅうばこしき、底のない四角い箱を積み重ねる方式)では、一番下に「台」を置き、その上に巣門(ミツバチの出入り口)を設けます。この巣門と台を一体化したものが「巣門台」です。
巣門台は単なる土台ではありません。スクズ、スムシ、スオチ、スズメバチという、ニホンミツバチ飼育の4つの「ス」問題に直結する重要なパーツです。
私が巣門台の改良を決意したきっかけ
2025年の夏分蜂ではなんと7群の入居がありましたが、ほとんどの群れがスムシにやられて、逃去したり衰弱していきました。鉄製台の四面巣門に加えてスムシっ子カードを使用していたので大丈夫!とたかをくくっていたのです。
ニホンミツバチは入居後の3週間目くらいで一旦蜂数が減ります。春分蜂群の場合はまだスムシの季節ではないので良いのですが、夏分蜂群の入居後3週目くらいの蜂数が減ったタイミングはスムシの格好の餌食です。
スムシっ子カードは使用するのは大前提として、更に、四面巣門の鉄製台以上の対策が必要だ。これが私のテーマになりました。
「アオヤギ式巣門台」はYouTubeなどで前から知っていて、底のない構造でスムシと暑さに効くという発想には注目していました。ただ、実際に取り入れようとすると、いくつか引っかかる点も見えてきたのです。
この記事で紹介する「けーあい式」とは
ざっくり言えば「アオヤギ式の考え方を活かしつつ、安いプラコンテナと2種類のプラスチックネット、そして取り外せるカセット式の巣門枠で実用性を高めた改良版」です。
コストを抑えつつ、害虫の侵入も防ぎ、季節に応じて使い分けられる——そんな欲張りな設計を目指しました。

アオヤギ式巣門台とは何か
アオヤギ式巣門台については以下の別記事で詳しく解説していますので、本記事では簡単に振り返ってみましょう。

アオヤギ式巣門台の基本構造と特徴
アオヤギ式の本質は、ひとことで言えば「底なし構造」です。重箱式巣箱の最下段に底板を取り付けず、巣くず(ミツバチがかじり取った巣のかけらやゴミ)が地面に直接落ちるようにした構造です(※1)。
具体的には、4本の柱の四方と上面に板を貼って下の開いたボックス状にし、上面の板には巣箱内寸と同じ穴を開けます。さらに縦方向の壁にも四角い穴を開け、そこをミツバチが通れるメッシュ素材で覆って通気口兼巣門にしています(※1)。
ただし、木材で製作したアオヤギ式には弱点があります。最大の課題は、木部と地面と接する部分が数年で腐ってしまうことです。考案者自身も「1年ほどで虫が木を食べて弱くなり、放置していたら倒れたことがある」と語っています(※1)。
毎年腐ってしまい何十個も再度作るのは大変な手間です。
この腐食と手間の問題を解決するため、考案者自身が野菜収穫用のプラスチックコンテナを流用する方法にたどり着いています(※1)。
アオヤギ式の主なメリット(4つの「ス」問題に効く)
アオヤギ式巣門台のメリットは、覚えやすく「4つの『ス』」に整理できます。さらに、おまけとして、もうひとつの「シ」にも効果が期待できます。
1つ目、スクズ。巣くず掃除がいらない。
2つ目、スムシ。スムシ被害を軽減できる。
3つ目、スオチ。夏の巣落ちが起きにくい。
4つ目、スズメバチ。スズメバチがあきらめる。
そして、おまけの「シ」。湿気がこもりにくい。
これだけ並ぶと、なかなか魅力的です。

アオヤギ式の弱点:結構色々とあります
アオヤギ式の弱点としては以下のような点が挙げられると思います。けーあい式ではこれらの弱点をほぼ全て克服することを目指しました。
- 木材を使うと地面に接する部分が腐りやすい
- 冬の保温性が悪い(底板を差し込む場合は重い巣箱を持ち上げる必要性がある)
- 待ち箱としては使えない(蜜蜂が入居しない)
- 盗蜜に弱い
- 内検しづらい
- 見た目があまり良くない(プラコンテナの色が派手)
- 巣門台に重しを置いて倒れにくくすることが難しい
- 底板への落下物から群れの様子を推測することができない

けーあい式が目指した改良ポイント
コスト削減:ちょうど良い6mmスリット入りコンテナを採用しなかった理由
野菜収穫用プラスチックコンテナ(以下、簡単に「プラコンテナ」とか「コンテナ」と呼びます)を活用する際、ちょうど6mm程度のスリット(細長い隙間)が入ったコンテナを使えば、そのスリット自体を巣門・通気口にできて便利です。
ただ、私が調べたところ、こうした規格のコンテナは価格が高めでした(送料込みで1つ4000円から7000円)。
そこで私が選んだのは、より安価なプラコンテナです。
ホームセンターやネット通販で手頃に入手できるのですが、メッシュの大きさがスズメバチも通れてしまうほどの大き目(11mmX11mmの正方形状など)であるという問題があるので、採用されている方は少ないのではないかと思います。
防御性向上:スズメバチが入れず、ハチノスツヅリガや盗蜜隊も入りにくい構造
ここがけーあい式の肝です。
安価なプラコンテナはスズメバチも通れてしまうほどの大き目のメッシュ(11mmX11mmの正方形状など)になっていました。
そこで、ちょうど良い大きさのメッシュのプラスチックネット(トリカルネットなど)をプラコンテナの内側に貼ることで、必要な大きさの開口部を自分で作るという方針にしました。少しの手間で、ぐんとコストを抑えられます。
プラコンテナの内側のほぼ全面に開口3mmのプラスチックネットを貼ることで、ハチノスツヅリガやスズメバチだけでなく、ミツバチも内部に入り込めない「防護層」を作りました。
そのうえで、一部のエリアのみは開口6mmまたは7mm開口のプラスチックネットを貼り、そこを巣門とします。つまり、3mmネットの防護層と6mmまたは7mm開口の巣門の2つのエリアを持つ巣門台とします。
また、6mmまたは7mmの巣門は盗蜜隊が来たときには塞ぐことができるようにしておきます。
また、もしかしたら6mmの開口だとツヅリガが入れないのではないかと思い、現在実験中です。

メンテナンス性向上:カセット式枠で用途を切り替える発想
もうひとつの工夫が、プラコンテナと巣箱の間に挟む木枠の一部を取り外しできるカセット式にしたことです。このカセットを差し替えることで、巣門の有無や形状、さらには、底板の有無を選べるようにしました。
季節や群れの状態に合わせて構成を変えられるので、待ち箱(捕獲用)から飼育、越冬までを一台で柔軟に対応できるというのが狙いです。
材料の選び方と入手先
台本体:プラスチック製コンテナの種類
台本体には、プラスチック製のコンテナを使います。
アオヤギ式を採用される方がよく使われるのは岐阜プラスチック工業のリステナーMB-30IIで、スリットの幅がちょうど6mm程度ですのでスリットをそのまま巣門として活用できます。底はメッシュではなくてベタです。
アオヤギ式で実際に農家からもらったと紹介されているのもこのコンテナのようにみえます。
ただ、価格1つ4000円から7000円程度と高額なのと、色がブルーとイエローというかなり目立つ色であったため採用を見送りました(考案者もデメリットとして「見てくれが悪い」とおっしゃっていました(笑))。
(PR) リステナーMB-30IIにご興味のある方はこちらから確認できます。
まず、近くのホームセンターで売られていた1つ798円の安価な再生プラスティックのコンテナ(底はメッシュではなくてベタ)を検討しました。
外寸が幅520mm、奥行364mm、高さ297mmほど程度で、重箱式巣箱の外寸(一般的に290〜300mm角)が十分乗ります。また、色が黒で目立たないのがよいです。
次にネットショップで販売されている採取コンテナも検討しました。
こちらも、外寸が幅520×奥行365×高さ305mm程度ですので、重箱式巣箱の外寸(一般的に290〜300mm角)が十分乗ります。色も黒で目立ちません。底はメッシュとなっていてベタでないことが上記の2つと異なります。
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プラスチック製コンテナを選ぶ際の注意点
選ぶときのポイントは次の通りです。
- 重箱の外寸より一回り大きいものを選ぶ
- 格子状・網状で風通しの良い構造のもの
- 色は目立ちにくい青・黒・灰などが無難
なお、農業用コンテナは「紫外線による劣化が少なく丈夫」という利用者の声もあるようです。巣門台用途には相性が良い印象です。1つ798円の安価な再生プラスティックのコンテナは屋外での耐候性が若干心配ではあります。
プラスチックネット材:開口部3mmと6mm(または7mm)のネットの使い分け
けーあい式では2種類のプラスチックネットを使い分けます。タキロンのトリカルネットとネトロンシートを例にすると、規格と寸法の目安は以下の通りです(※3)。
| 用途 | 規格の例 | 開口部と厚み |
|---|---|---|
| 内側の防護層 | ネトロンシート D6 | 開口 約3mm、厚み 約1.4mm |
| 巣門部 | トリカルネット N-481 | 開口 約6mm、厚み 約2.2mm |
| 巣門部 | トリカルネット N-24 | 開口 約7mm、厚み 約2.3mm |
ネトロンシートは元々は大日本プラスチックスの製品でしたが、現在は合併等でタキロンの製品となっており、タキロンが両方の製品を扱っているようです。
どちらも材料は同じようなもののようですが(高密度ポリエチレンなど)、トリカルネットは角目(縦・横格子)、ネトロンシートは菱目(ひし形)であることが違いです。
なお、内側の防護層として、トリカルネットN-9も検討しました。N-9は開口が約2mmですが、厚みが約0.9mmで薄く、スズメバチに噛み切られる可能性があると思い採用を見送りました。
さて、巣門部のトリカルネットとしてN-481(開口が約6mm)を使うか、あるいはN-24(開口が約7mm)を使うかが迷うところです。
6mmだと蜜蜂が通りにくそうにしたり、脚につけた花粉を落としてしまうリスクがありますが、少しはハチノスツヅリガが入りにくくなるのではないかと期待もあります。こちらについては両方を試してみて秋にでも結果をご報告したいと思います。
(PR) プラスチックネットは以下のネットショップや金網店(※3)などで希望の長さで購入できます。ネットショップの場合は短い単位で購入すると割高なことがあるので長めに購入して蜂友さんたちでシェアすると良いでしょう。
木材:片面防水コンパネと杉板のサイズ・必要量
プラコンテナと巣箱の間には、片面防水のコンパネ(コンクリート型枠用合板)の台と杉板で作った巣門枠を使います。
片面防水のコンパネは雨に強いため重宝します。
杉は入手しやすく加工もしやすいため、養蜂用部材の定番です(※2)。巣箱と同じサイズにしますので、私は36mm厚の杉板を使用しました。
どちらも大型のホームセンターなどで入手可能です。私はホームセンターのカットサービスを利用して希望のサイズに切ってもらいました。

けーあい式巣門台の構造図解
全体構成のパーツ一覧と役割
けーあい式は、下から順に次のパーツで構成されます。
- プラコンテナ(台本体):地面に接する土台。内側に開口3mmプラスチックネット、側面の一部に6mm(または7mm)の巣門を設けます。
- 片面防水コンパネ:コンテナの上に乗せる中間の床板(防水面を上に)。中央を230mmX230mm程度にくり抜きます。
- 杉板の枠(固定部):重箱を受ける枠の本体
- カセット式枠(差し替え部):杉板の枠の1辺を取り外しできるようにします。巣門有無・底板有無で複数のタイプを作成して取り替えできるようにしたパーツです。
- 重箱式巣箱本体:巣門台の上に積む通常の巣箱です。
プラコンテナ本体の加工箇所(くり抜き・ネット貼り)
プラコンテナの加工は大きく2か所です。
まず底面がベタの場合はプラコンテナの底を巣箱の内寸よりも少し大きく切り取ります。これはプラコンテナの開口部が小さいと落ちてきた巣クズが溜まってスムシが発生する恐れがあるためです。使用時は上下逆さまにします。

一方、底がメッシュのプラコンテナの場合は底をくり抜く必要はありません。上下逆さまにしないでそのまま使用します。青柳式の動画を観て、プラコンテナの底は切り抜くものとの先入観がありましたが、よく考えたら無理に切り抜かない方が加工の手間も減るし、構造的に有利ですね。
さらに、側面の一部をくり抜きます。トリカルネットを貼って巣門とするためです。取っ手部分を使うことも考えられますが、かなり小さいためその下の部分もくり抜くこととしました。
コンパネ・杉板枠の寸法と組み立てイメージ
コンパネは重箱の外寸と同じ程度にカットし、中央に重箱内寸より少し大きい(230mm角前後)の四角い穴を開けます。カットはやはりジグソーがあると便利でしょう。
巣門枠材は重箱と同じ大きさに作り、3つの辺をコンパネの開口部を囲むようにビスで固定します。
カセット式枠のバリエーション(巣門有無・底板有無)
けーあい式の特徴はカセット取り替え式のパーツです。この枠は用途に応じて以下のような色々なパターンを用意しておくと便利です。
- 巣門あり・底板なし:夏向け。通気と出入りを優先。
- 巣門あり・底板あり:冬向け。地面からの通気を絞る。巣門は色々な形状にできる。盗蜜隊対策にも使用。
- 巣門なし・底板なし:コンテナ側の巣門だけで運用する場合(6mm開口のトリカルネットでスムシを防げるかの実験用)。
さらに、巣門は7mm X 130mm程度のスリットとしますが、7mm程度の穴のタイプもテストします。
製作手順:ステップバイステップ
STEP 1:プラコンテナの採寸とくり抜き加工
まず、手持ちの重箱の内寸を測り、コンテナの底がベタの場合は、コンテナの底板に重箱内寸より少し大きい開口をくり抜きます。ちょうど中央に位置するように開けると良いと思います。コンテナの底がメッシュの場合は、底をくり抜く必要はありません。
次に側面の巣門位置を好きな大きさにくり抜きます。私が採用したプラコンテナは4方の持ち手の下の面がくり抜きやすくなっていますので、そこをマルチツールでくり抜いて巣門エリアとします。
巣門の数は、考案者の経験では「2か所で十分」「前と、風の入る左右どちらか好きな方の2か所がベスト」とされています(※1)。最初から4か所開けないで、まずは2か所で様子を見ることにしました。
(PR) プラコンテナはマルチツールを使うと簡単にくり抜けます。ジグソーより引っかかりにくくて使いやすいです。巣門部分の切り欠きように先日購入したのですが名前通りマルチに使えてとても便利です。マキタの18Vバッテーリーを持っている方は以下の機種がお勧めです。

STEP 2:内側への3mmネトロンシートの貼り付け(防護層)
続いて、コンテナの内側全面に3mmの(ネトロンシート D6)を貼ります。これがハチノスツヅリガやスズメバチを物理的に締め出す防護層です。ミツバチも通れません。
格子の交点や四隅まで丁寧に押さえ結束バンドでたわみが出ないように張ります。
3mmのネトロンシートにはあらかじめ巣門とする部分をくり抜いておきます。すなわち、巣門エリアになる部分はあらかじめネトロンシートに穴を開けておき、その部分に6mmまたは7mmのトリカルネットを貼ることで巣門となるという仕組みです。
なお、穴を開けるときに切り取った3mmのネトロンシートは外側から上部だけを固定して貼り付けて開閉式の扉とします。これは、盗蜜隊が来たときに巣門を外から塞ぐことができるようにするためです。

STEP 3:開口部6mmまたは7mmのトリカルネットの切り出しと貼り付け(巣門部)
くり抜いた巣門部より少し大きく切った6mmまたは7mmのトリカルネットを内側からネトロンシートの上に当てて貼り付けます。
こちらも固定には結束バンドを使います。これにより、蜜蜂が出入り可能な6mmまたは7mmの穴がある巣門エリアの完成です。
このとき、ネットの縁に隙間ができないようしっかり固定するのがポイントです。隙間があるとそこからスズメバチや害虫が入り込む可能性があります。
(PR) 結束バンドは以下の商品を使っています。1000本入っているので助かります。

STEP4:コンパネ・杉板枠の製作とコンパネ板への取り付け
コンパネはプラコンテナの外寸と同じ程度(例:361mm X 524 mm)にカットし、中央に重箱内寸より少しい大きい四角い穴を開けます(230mm X 230mm程度)。
防水面を上に向けて、プラコンテナの上に六角ボルトなどで固定します。コンパネの防水面は必ず地上側(上)に向けて雨を弾くようにします。

杉の巣門枠材は重箱と同じ大きさに作り、コンパネの開口部を囲むようにコンパネの下からビス(コーススレッド)で固定します。
防水加工として、杉板の表面をガスバーナーで焼く焼き杉加工(※2)が有効です。組み立てた後からは焼き加工ができないため(コンパネの防水加工部分が焦げてしまう)、組み立て前にあらかじめ杉板の外側を向く面を焼いておきます。

STEP5:カセット式枠の製作
最後に、差し替え用のカセット枠を製作します。巣門がスリット・穴型、さらに、底板あり・なしの組み合わせで複数用意します。
文章では分かりにくいと思いますので、図で示しますと、スリット巣門、底板ありの場合のカセット式枠はこのようになります。



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カセット式枠の使い方と季節ごとの切り替え
カセット巣門の種類
複数のパターンのカセットを使い分けることで、一台の巣門台が季節ごとに違う顔を見せます。また、プラコンテナ側の巣門を開けたり閉じたりすることも適宜組み合わせます。
このカセット枠にはひとつ工夫があります。 普通底板をスライドして入れる構造を考える場合、固定枠の側にレールを付けてその上に底板をスライドさせて入れて、レールで底板を支える構造を考えると思うのです。
でも、今回はあえてレールを付けません。 なぜかというと、底板なしで使うときにそのレールの上に巣くずが溜まってしまって、スムシの発生源になってしまうからです。
だから、巣くずが溜まる場所を、構造的に作らない。これが今回の工夫です。
また、スズメバチに齧られないようにステンレスのガードを取り付けます。DAISOにちょうど良いステンレスフリーステーがありましたのでそれを使うことにしました。なんといってもお値段が110円でコスパが良いです。
(PR) 巣門板にはAmazonで購入した6mmのステンレス六角ボルト(M6 X 50)で取り付けました。
カセットは、「巣門の形」と「底板のあるなし」の組み合わせで、何種類か用意しておきます。 巣門の形は、7ミリ×130ミリくらいの細長いスリットタイプと、DAISOのステンレスフリーステーの6mmの穴がそのまま巣門になる2種類を作りました。
複数の種類のカセットの詳細な構造は文章では説明しづらいので、YouTubeで動画で説明していますので、ぜひご参照ください。
巣門カセットの使い分け
それでは、想定使用方法を見ていきましょう。
春
待ち箱として使用する場合は、スリット巣門、底板ありのカセットを使用します。青柳さんも底板無しでは蜜蜂は入らないとおっしゃっているので、要注意点です。
夏
スムシが増えるのは、気温20度を超える5月から10月。特に6月から9月が、活動のピークです。 この時期はスリット巣門-底板無しのカセットです。梅雨が明けるまでには底板無しに取り替えましょう。これによりスムシが落ちてくると地面へ一直線です。
また、スムシっ子カードはカセットの巣枠の部分の後ろ側にピンで留めて併用します。
さらに、コンテナ側の巣門も開放してこちらからも出入りできるようにしています。底が大きく開いていることで、巣箱の中の温度上昇を抑えて、夏の巣落ちリスクを下げることにつながります。
秋
スズメバチが集団で攻めてくる夏の終わりから秋もスリット巣門-底板無しのままです。スズメバチが巣門の位置を絞り込めず、諦めて帰っていくか今年検証したいと思います。
冬
11月以降、気温が下がってくると、スムシの活動は、ほとんど見られなくなります。 アオヤギ式の弱点として「冬の保温」がありましたね。 寒くなってきたら、底板ありのカセットに差し替えて、底からの冷気を抑える。カセット式なら、重い巣箱を持ち上げなくても、横からスッと差し替えるだけ。重い巣箱の「持ち上げ問題」も、これで解決です。
盗蜜隊対応
さて、特別な対応が必要な相手がいます。それが、盗蜜隊です。 盗蜜隊は、セイヨウミツバチも、ニホンミツバチも、相手は同じミツバチですから、6ミリや7ミリの巣門を、平気で通り抜けてしまいます。
そこで、盗蜜隊が現れたときは、二段構えで対応します。まず、コンテナ側の巣門は、全部閉じてしまう。ここで活きるのがコンテナの開閉扉です。パタンと閉じる。
さらに、巣門枠のカセットも、できるだけ盗蜜隊が入りにくい、穴開きタイプに交換します。こうやって、侵入経路を絞り込んで、何とか盗蜜隊に諦めさせることができれば良いかと思っています。
内検
「アオヤギ式は内検しづらい」という弱点があります。今回のカセット式だとこれも大丈夫。カセットを、スッと外して、そこにスマホを差し込んで、巣箱の中の様子を撮影できます。
底板掃除の手間がないアオヤギ式の良さは残しつつ、見たいときには、ちゃんと中を確認できるという訳です。

けーあい式でアオヤギ式の弱点は克服できる?
以下のように、けーあい式ではアオヤギ式の弱点をかなり克服できるだろうと期待しています。
1つ目、木材が腐りやすい。 → プラコンテナにしたので解決。
2つ目、冬の保温が弱い。重い巣箱を持ち上げないと底板を入れられない。 → カセット式で、持ち上げずに底板ありへチェンジ可能。解決。
3つ目、待ち箱に使えない。 → 待ち箱として使うときは、底板ありのカセットにすればOK。解決。
4つ目、盗蜜に弱い。 → コンテナ側の巣門を閉じて、巣門枠も穴あきカセットに交換。解決。
5つ目、内検しづらい。 → カセット枠を外せば、スマホで撮影可能。解決。
6つ目、見た目がイマイチ。 → 黒など、落ち着いた色のコンテナを選べるが、コンパネの黄色い耐水面が目立つ。半分、解決。
7つ目、重しを置いて倒れにくくするのが難しい。 → 底がメッシュのコンテナを使えば、コンテナの中に重しを入れられます。解決。
8つ目、落下物から群れの様子が分からない。 → 必要なときは、底板ありのカセットにすれば観察できるので解決と言いたいところですが、それではアオヤギ式のメリットが生きません。未解決。ただ、コンクリートブロックを重しにして上からスマホで撮影すれば、ブロックの上の落下物を確認できるかも。
もちろん、これはあくまで設計上の話で、本格的な運用はこれからです。みなさんにも作ってみて試してみませんか?「ここはどうだった」というフィードバックをコメントしていただけると嬉しいです。

まとめ:けーあい式改良巣門台のメリットと今後の課題
最後に、けーあい式のメリットを整理しておきます。
- 低コスト。安いプラコンテナと、プラスチックネットを使うので、1つあたり3500円から4000円くらいで作れます。
- 多層防御。3ミリの防護層と、6ミリか7ミリの巣門でスムシやスズメバチの侵入を物理的に絞り込む。
- 耐腐食。木製アオヤギ式の弱点だった腐食を、プラコンテナで回避できる。
- 通気と巣落ち対策。底なし運用で、夏の温度上昇と巣落ちリスクを抑える。
- 多面的対応。カセット式で、巣門の種類や、底板の「ある」「なし」を、切り替えられる。
なお、本記事は私の試行と各種情報源をもとにした一案の提案であり、ミツバチの飼育成功や害虫被害ゼロを保証するものではありません。製作時の怪我や設置のトラブルにはくれぐれもご注意のうえ、ご自身の責任で楽しんでいただければ幸いです。

参考記事
巣箱製作がまだの方はこちらを御覧下さい。

アオヤギ式巣門台について詳しく知りたい方はこちら

ニホンミツバチ飼育全般について以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてください。

参考:YouTube動画
私がニホンミツバチを飼育している様子をYouTube動画にしていますので、良かったらご訪問いただければと思います。
YouTubeチャンネルはこちらです。
本記事の内容を分かりやすく解説するYouTube動画を配信してます。ぜひ御覧下さい。
終わりに
ここまで読んでくださりありがとうございました。この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。
それでは、楽しい養蜂ライフを!
参考
- アオヤギ式巣門台とは?スムシ対策・夏の巣落ち防止・他方式比較を徹底解説 | けーあいブログ — https://risingdragonhoney.com/aoyagi-style/
- ニホンミツバチ用「重箱式巣箱」の作り方・DIY完全ガイド | けーあいブログ — https://risingdragonhoney.com/building-box-hive/
- 取扱商品|静岡 オーダーメイド金網|静岡の金網なら川西金網店 — https://www.kanaami.net/syouhin/shopcart/catalog_table_img.php?km=11

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