【初心者向け】ニホンミツバチの巣箱はまずは重箱式で|構造・サイズ・購入とDIYの作り方まで

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ニホンミツバチの飼育に初めてトライする際、最初に必要になるのが巣箱を用意することです。巣箱は文字通り、ニホンミツバチを飼育するための箱ですが、ニホンミツバチの群れを最初に捕獲するための道具も兼ねます。

捕獲としては、分蜂群の自然入居を待つ方法と分蜂群を去勢捕獲する方法がありますが、いずれの場合も用意した巣箱を使用することになります。

さて、先人たちの知恵の結晶である巣箱にはいくつかの方式があります。主な方式としては、丸胴式、巣枠式、重箱式がありますが、初心者が最初の1群を迎える目的なら、まずは標準的な重箱式(じゅうばこしき)がいちばん無難と思います。

そこで、この記事では、重箱式巣箱を中心に以下について詳しく説明します。

  • 重箱式の構造と役割
  • 初心者が失敗しにくいサイズの目安
  • 購入するときのチェックポイント
  • DIYで作るときの材料・寸法・作り方のコツ

後半で、丸胴式や巣枠式という他の方式も紹介し、比較表で違いを整理したうえで、なぜ重箱式をお勧めするかを説明します。

ニホンミツバチ飼育の全体像はこちらの記事で紹介していますので、あわせて参考にしてください。

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目次

先に結論:初心者は“標準的な重箱式”を一式以上用意するのが最短

以下のような理由から、まずは重箱式から始めるのがお勧めです。

  • 作りやすい/買いやすい
  • 段で調整できて扱いやすい
  • 採蜜や管理がやりやすい

重箱式巣箱とは?(なぜニホンミツバチで定番なのか)

重箱式は、底の抜けた四角い箱(重箱)を何段も積み重ねて、ニホンミツバチが好む「縦に長い空間」を作る方式です。

自然巣(木の洞)や丸胴式に近い住み心地を狙いつつ、箱を分割できるので作業性が段違い。ここが重箱式が定番になった最大の理由です。

蜂にとって縦長で営巣にフィットしている、プラス、人間側は「段」を利用して作業できる。この両立が重箱式の強みです。

重箱式の最大メリット:採蜜がラクで“育児圏”を壊しにくい

ニホンミツバチは、巣の上部に蜜を溜める傾向があります(「貯蜜域」とか「貯蜜圏」と呼びます)。貯蜜域の下には育児域がありますので、ここを収穫してしまうとハチミツに幼虫が混入するという最悪の事態となってしまいます。

重箱式なら、何段にも重ねた重箱の上の段(貯蜜域)だけを狙って作業しやすいのが大きな強みです。

  • 丸胴式:どこに蜜があるか見えにくく、採蜜には技術が必要。採蜜時に巣全体を壊しやすい。
  • 巣枠式:管理はしやすいが、設備や技術が必要になることが多く、お世話も頻繁に必要。
  • 重箱式:重ねた巣箱の上段をワイヤーで切って分離しやすく、育児域に触れにくい。

頻繁なお世話を前提としてメリットのある巣枠式に比べて、重箱式はそれほど頻繁なお世話を必要としません。週末養蜂でも十分飼育することが可能です。ただ、重箱式でも、夏の暑さ対策、スムシやアカリンダニといった外敵の対策などの最低限のお世話は必要ですので、“完全放置”はお勧めしません。

重箱式巣箱の構造

重箱式の基本的な構成は大きく6パートに分かれます。上から説明してきます。

屋根(雨・直射日光を避ける)

雨と日射を避けるだけで、巣箱の環境は安定します。屋根は凝らなくてもOKですが、最低限以下は押さえると安心です。色々なものが使えますが、ポリカの波板を使うと簡単です(塩ビでも良いですが、ポリカのほうが耐候性が良いです)。

  • 巣箱に雨が直接かからないよう入らない
  • 夏の直射日光で箱が熱くなりすぎない
  • 風で飛ばない(固定できる)

天板(蓋)

重箱式は四角い枠を何段も重ねていくのですが、一番上に天板(蓋)が無いと当然空洞の中が上から見えてしまいます。そこで上を塞ぐ天板(蓋)が必要となりますが、天板と一番上の重箱の間には以下で説明するスノコが入りますので、スノコの邪魔にならない構造にする必要があります。

また、蜜蜂が天板にも巣を広げてしまって天板が取り外せなくなってしまうことを避けるために、天板の下側に金網を貼ると良いでしょう。

スノコ

スノコは、蜂の空間と屋根の間に隙間を作るパーツです。蜜蜂が巣を天板まで伸ばして天板が取れなくなることを防いだり、アカリンダニ防止のメントールなどを置く場所にします。スノコの流派はいろいろありますが、安く簡単に作れるものが良いでしょう。

スノコには縦長の隙間を設けます。蜜蜂が通れるように7 mm程度の隙間とすると良いと思います。あまり隙間が大きいとスノコの上に巣を作ってしまう傾向があります。また、スノコと天板の間には隙間を設けますが、空間が大きい場合も巣を作ってしまいますので、隙間(縦方向)は10 mm程度にできると良いと思います(メントールの設置場所を大きく採りたいとか、意図的に盛り上げ巣を狙う場合を除く)。

重箱(継ぎ箱)

  • 重箱は横長の板を4枚組み立てて四角くしたものですが、一般の重箱と異なり上下の板はありません。
  • サイズ(内寸)の目安は以下で説明します。
  • 用いる板の板厚があまり薄いと弱くなりますし、夏冬に中の温度が変わりやすいと考えられます。
  • 重ねた時に隙間があると安定しませんし、スムシが入りやすくなるので、重箱はできるだけ精度良く作るとよいです。
  • 重箱には巣落ち防止棒を取り付けます。形状は、十字式や井桁式などがあります。また、材質は太めの針金や木製の棒を差し込むことが多いです。巣落ち防止帽は、夏に巣が柔らかくなって自重で落ちてしまうことを防止するために設置します。

底板・巣門(入口)

一番下には巣門と底板を設置します。

底板には建設用のコンパネをカットして使うことが一般的です。

巣門は巣箱と底板の間にスペーサーを挟んで隙間を開ける方法(一番簡単)、巣門の大きさ分を切り欠いた巣門枠を使う方法、巣門付きの低めの段(開閉可能)を作る方法など色々な方法があります。用いる台の構造と合わせて検討します。

なお、巣門の高さは6から7 mmがベストです。これよりも大きいと秋にスズメバチが侵入するリスクが高くなります。また、スズメバチに齧られないように薄い金属板などを外側に貼り付けて保護すると良いと思います。

コンクリートブロック、排水桝、プラスチックコンテナ、鉄製台など色々な方式があります。

特に鉄製台は巣箱を置くだけで鉄でカバーされた四面巣門とすることができて有用です。お値段はそこそこしますが、夏場に風通しが良くなることや4方向の大きな巣門が全て金属でカバーされてスズメバチに内部に侵入されないことが大きなメリットです。

初心者向け「標準サイズ」の目安(まず外さないライン)

重箱式の目安(初心者向け・標準寄せ)

  • 内寸:縦横が220mm x 220mm 〜 250mm x 250mm。あまり内寸が大きいと夏場の巣落ちが心配です。
  • 1段の高さ:120mm 〜 150mm程度
  • 段数:待受けの段階では2段にします。その後に巣が大きくなったら都度下に重箱を足します(「継箱」と呼びます)
  • 板厚:25mmから35mm程度(25mmよりも薄いと断熱性や強度が心配です。一方、35mmよりも厚いと重くなってしまいます)
  • :杉が入手しやすく加工もしやすいので良く使われます

今後も同じサイズで作ることになりますので、最初の1台のサイズはじっくり考えて決めましょう。私は「標準に寄せる」方が何かと良いかと思い、週末養蜂さんのサイズに合わせています(内寸 220×220mm、外寸 290×290mm、高さ150mm、板厚35mm)。

“板厚”と“隙間”が重要な理由(ここだけはケチらない)

ニホンミツバチの巣箱でトラブルを呼びやすいのが、薄すぎる板と板の間の隙間です。

板が薄いと起きやすいこと

  • 夏:太陽光が当たった場合に中が高温になりやすい
  • 冬:冷えやすく、群が弱りやすい
  • 結果として、逃去や弱体化のリスクが上がる

隙間があると起きやすいこと

  • スムシの侵入経路になる
  • 蜂が隙間を埋めようとして余計な巣を作り、作業性が落ちる

巣箱と巣箱を重ねた時に隙間は無いことが好ましいです。どうしても隙間ができてしまった場合は耐候性のあるテープで周囲を一周カバーすると巣箱の固定にもなりますし、スムシ侵入防止も期待できます。


重箱式巣箱を購入してそろえる場合(初心者向けの選び方)

まず参考に1台は買って、構造を学ぶという作戦はかなり有効です。精度の良い実物を手に入れると、後からDIYするときにもお手本になります。

購入時チェックリスト(ここを見る)

購入する場合は以下の点を考慮して検討するとよいでしょう。

  • 重箱(段)の寸法が標準寄り(内寸22〜25cm程度)
  • 段どうしを重ねたときにガタつきが少ない
  • 角が直角に近く、ねじれが少ない(反りが少ない)
  • 底板・巣門が扱いやすい(掃除がしやすい構造だと◎)
  • 屋根が雨に強い(ひさし・水切り)
  • 余計な隙間がない(段の合わせ面がきれい)

どこで買う?

オークションなど

オークションサイトやフリマサイトでニホンミツバチ用の巣箱を自作して販売されている方がいます。信頼できそうな人を探して購入するのも一案かと思います。出品者さんによっては特注のサイズにも対応してもらえる可能性があります。

週末養蜂(PR)

購入先は色々ありますが、初心者は実績のあるところから購入されると良いと思います。

私は週末養蜂さんのスタートキットを1つだけ購入して、ゴールデンウィークに設置したら直ぐに入居してしまってニホンミツバチ養蜂にハマってしまったという経験があります(その経緯は追って記載します)。巣箱製造の過程もYouTubeで紹介されていて安心ですので、安心です。

週末養蜂さんのスタートキットは街箱だけでなく、教材、待ち箱ルアー、蜜蝋と必要なものが全て揃っているのでおすすめです。

DIYで作る方法(初心者向け:失敗しにくい作り方)

DIYはコストが抑えられ、台数を増やしやすいのがメリットです。まずはシンプルに標準型で作って、慣れてきたら色々と構造を工夫するのも楽しいですね。

DIYの材料(定番)

  • 板材:杉(扱いやすく入手性が良い)
  • ビス(屋外向け、できればステンレス)
  • 木工用ボンド(併用すると強い)
  • 防腐・塗装(行いません。バーナーで外だけ炙ります)
  • 反り対策:乾燥材を選ぶ、保管に注意

作る順番(初心者向け)

  1. 重箱(継ぎ箱)を同寸で複数作る(まず3〜4段)
  2. 天板を作る
  3. 天井(スノコ)を作る
  4. 底板を作る(掃除しやすい構造に)
  5. 屋根を作る(雨と日射対策)

重箱(継ぎ箱)製作のコツ:最重要は“同寸”と“直角”

初心者DIYで起きがちな失敗は、段ごとに微妙にサイズが違ってしまって、重ねて積んだ時にガタついてしまうこと。

ホームセンターで板を購入し、カットサービスを使用すれば、目的のサイズの板を正確なサイズで直角に切断した板が容易に入手できると思います。腕に自身の有る方は丸鋸でカットすれば自由自在ですが、新たに丸鋸を購入する場合、そこそこ費用はかかってしまいます。

  • すべての段を「同寸」で作る
  • 角を直角に近づける(歪みはガタつきの原因)
  • 合わせ面をきれいに(段の接地面が荒いと隙間ができる)
  • 反りが強い板は使わない(積むと歪みが増える)

底板は“掃除性”や”観察性”で設計すると後がラク

底板はトラブルの出やすい場所なので、初心者ほどケアすると成果が出ます。

  • 巣くずが溜まりやすい → 掃除できる構造が有利
  • 引き出し式や鉄製台設置といった点検しやすい形だと管理がラク
  • 地面の湿気対策として、台に載せる前提で作ると良い

塗装はどうする?

ニホンミツバチが塗装の匂いを嫌がりますので、塗装は行いません。重箱が雨風に耐えて長く持つように、外側のみをバーナーで炙って焦がすことが一般的です。その様子は私のYouTube動画でもご紹介して行きますので、参考にしてみてください。

なお、杉板があまり新しくて木の匂いが強い場合はあまり入居しないと言われています。その場合は、数カ月屋外で雨風に当てて匂いを抜くと良いと思います。

参考:丸胴式・巣枠式という選択肢もある

重箱式が定番とはいえ、他にも方式はあります。

丸胴式(まるどうしき)

  • 風情があり、日本の里山に馴染む
  • 丸胴式の方が入居しやすいと言われている
  • ただし丸太確保が難しく、重くて作業性は下がりやすい

丸太の中をくり抜いて空洞にし、天板・底板をつけた伝統スタイル。

  • メリット:木の洞(うろ)に近く、雰囲気が抜群。設置景観がとても良い。ニホンミツバチが入居しやすい。
  • デメリット重い・移動が大変。内部が見えにくく、採蜜や掃除が難しい。乾燥すると割れが発生する。採蜜で巣を大きく壊しやすい。

巣枠式(すわくしき)

  • 木枠に巣を作らせ、1枚ずつ取り出して管理する方式(西洋ミツバチで主流)
  • 観察・管理はしやすい
  • ただし設計と運用の難易度が上がりやすく、初心者の最初の1台としてはハードになりがち
  • メリット:観察・管理がしやすい(育児圏の確認、病気のチェックなど)。習熟すれば女王コントロールも可能。
  • デメリット:構造が複雑で自作難易度が高め。ニホンミツバチは設計や個体差で、巣枠にうまく乗らず余計な隙間を埋めたりして扱いが難しくなることがある(上級者寄り)。

3. 重箱式(じゅうばこしき)

底の抜けた四角い箱を積み重ねて「縦長空間」をつくる方式。現在の定番。

  • 特徴:丸胴の縦長空間に近いのに、箱を分割できて作業がラク。採蜜も段ごとにやりやすい。

【比較表】重箱式・丸胴式・巣枠式

独断と偏見でそれぞれの方式を比較して評価してみました。

比較ポイント重箱式丸胴式巣枠式
最初の1台の始めやすさ
入手性/材料の揃え易さ
DIY難易度×
精度の出しやすさ
観察・管理のしやすさ
採蜜のしやすさ
初心者の失敗しにくさ

まとめ:だから初心者は「重箱式」を選ぶのがいちばん無難

ニホンミツバチの巣箱には、丸胴式や巣枠式といった選択肢もありますが、初心者が最短で「使える巣箱を1台用意してスタートする」なら、結局いちばん無難なのは重箱式です。

  • 重箱式は 標準サイズの情報が多く、再現しやすい
  • 段で調整できて扱いやすい
  • 購入してもよいし、DIYでも増やしやすい

まずは重箱式を1台用意して、「入居準備」に進みましょう。今後の記事で待ち受け箱の設置方法について解説する予定です。

参考:YouTube動画

私がニホンミツバチを飼育している様子をYouTube動画にしていますので、良かったらご訪問いただければと思います。

YoutTubeチャネルはこちらです。

南箱根の田舎暮らし – はちみつ果樹園だより

終わりに

ここまで読んでくださりありがとうございました。この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

自然に囲まれた場所で、果樹を育てたり日本蜜蜂を飼ったりしながら暮らしています。
田舎の暮らしも不便さばかりではなく、便利な道具や家電を取り入れることで、快適さと楽しさの両立を目指しています。
このブログでは、養蜂や果樹栽培といった趣味の実体験に加えて、暮らしをちょっと便利にしてくれる道具の紹介や、将来に備えた気軽なマネーの工夫についても発信しています。
田舎でも都会でも、暮らしを「ちょっと楽しく、ちょっと賢く」するヒントをお届けできれば嬉しいです。

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