【分蜂誘引の必需品】キンリョウヘンの育て方と開花調整のコツ|ニホンミツバチ養蜂

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春、桜の開花とともに、ニホンミツバチの養蜂家にとって最も熱い季節「分蜂(ぶんぽう)」がやってきます。

新しい群れを捕獲するために待ち箱(巣箱)を設置して待つのも楽しみの一つですが、「なかなか探索蜂が来ない……」とヤキモキすることもありますよね。

そんな時の最強のパートナーが、「キンリョウヘン(金稜辺)」という蘭(ラン)の一種です。

キンリョウヘンは、ニホンミツバチを強烈に引き寄せる集合フェロモンに似た物質を花からを出す不思議な植物。これが有るのと無いのとでは、捕獲率が劇的に変わると言っても過言ではありません。

しかし、ただ持っているだけでは効果を発揮できないことがあります。最も重要なのは「分蜂のタイミングに合わせて花を咲かせること」です。

この記事では、初心者の方に向けて、キンリョウヘンの入手方法から、開花時期をコントロールする調整テクニック、そして当日の使い方の裏技までを徹底解説します。

目次

なぜキンリョウヘンがニホンミツバチを呼ぶのか?

キンリョウヘン(学名:Cymbidium floribundum)の花は、ニホンミツバチの集合フェロモンに似た成分を放出します。以下の2つの物質の混合物が効果を発揮し、単独では効果がないとのことです。

  • 3-ヒドロキシオクタン酸(3-HOAA, 3-hydroxyoctanoic acid)
  • 10-ヒドロキシ-(E)-2-デセン酸(10-HDA, 10-hydroxy-(E)-2-decenoic acid)

 参考文献:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23387843/

これによって、新しい巣の場所を探している「探索蜂(偵察部隊)」が強烈に引き寄せられやってきて、待ち箱の場所を群れに伝えるのです。

「キンリョウヘン」以外に使える蘭はある?

キンリョウヘン以外にも、同様の誘引効果を持っている蘭の品種があります。

  • キンリョウヘン: 開花を少し早める開花調整が必要だが、実績はNo.1の最も定番の「ミツバチ蘭」です。シンビジウムの仲間で、中国由来で原種に近いとされます。いくつかの園芸品種が有るようです。通常は赤花ですが、白花の品種も有り、私が持っている白花のキンリョウヘンは赤花よりも誘引効果が強いように思います。
  • ミスマフェット: キンリョウヘン × 原種デボニアナムの交配種として流通しており、こちらも誘引蘭として有名です。キンリョウヘンより葉の幅が広いので見分けがつきます。キンリョウヘンより誘引が強いという意見もあります。
  • フォーゴットンフルーツ:こちらも誘引蘭として名前が挙がりますが、入手は少し難しいかと思います。花が綺麗で観賞用としても良いと思いますが、育てるのも少し難し目とのことです。
  • アクシデンタル:キンリョウヘン ✕ ミスマフェットの交配種として紹介・流通しているタイプです。強力な誘引力があると言われています。私は九州蜜蜂工房さんのYouTubeビデオで知りました。今は入手困難かもしれません。

どれを選んでも効果はありますが、まずは入手しやすいキンリョウヘンを数鉢持っておくのがおすすめです。

キンリョウヘンの入手方法と時期

キンリョウヘンは一般的なお花屋さんやホームセンターではまず見かけません。以下の方法で入手するのが確実です。

1. 入手のベストタイミングは「1月〜2月」

春の分蜂に間に合わせるためには、「花芽(はなめ)」が付いている株を冬の間に購入する必要があります。

  • 1月〜2月: 花芽付きの株が出回る時期。この時期に買えば、あとは開花調整をして、分蜂時期に合わせて咲かせるだけです。
  • 3月〜4月: すでに開花が始まりそうな株も多く、開花調整が難しくなります。また、お値段が高いものしか残っていないことが多いと思います。
  • その他の季節:春の分蜂時に花が咲くように上手に育てて行く場合は、その他の季節のほうが安めに入手できるかと思います。

2. おすすめの購入場所

  • ネットオークション(ヤフオクなど): 信頼できる出品者から購入することが重要です。たまにニホンミツバチの誘引効果の無い蘭がキンリョウヘンとして売られている事があるようです。評価などを見て確認しましょう。
  • 九州みつばち工房さんが毎年キンリョウヘンを販売されています。ホームページを確認したら次の販売は2月からとのことです。実際にニホンミツバチの誘引に使われているキンリョウヘンを増やしているので安心ですね。
  • 園芸専門店の通販: 「ニホンミツバチ誘引用」として販売されていることが多いです。

購入時の注意点 必ず「花芽付き」と明記されているものを選びましょう。葉っぱだけの株を買っても、そのシーズンには咲かないことが多いと思います。

(PR) 楽天市場でのキンリョウヘンの入手法

楽天市場だと以下のお店などでキンリョウヘンやその他のニホンミツバチ誘引効果のある蘭を扱っています。ヤフオクの方がお値段は安めですが、信頼を飼うという点では楽天市場のショップで購入するのが安心かと思います。

花芽付きのキンリョウヘンは各ショップともあまり多くは出品されていないようですので、見つけたら売り切れる前に入手しておくことをお勧めします。

以下のショップ名かバナーをクリックすると楽天市場の各ショップに飛びますので、「キンリョウヘン」で検索して、花芽付きの良いものが見つかったらまずはカートに入れておくと良いと思います(結構高額なので購入するかはじっくり検討した方がよいかと)。

レイテストプランツ

レイテストプランツさんは「多肉植物と蘭のお店」となっていて、お目当ての品種を入手できることがあります。私は昨年キンリョウヘンとミスマフェットをかけ合わせて作出された「シンビジウム アクシデンタル」をこちらのお店で入手することができましたので、ラッキーでした。アクシデンタルは小さな苗でしたので現在育成中です。

母の日 花 ガーデニング岐阜緑園

岐阜緑園さんから花芽が5つ以上ついた大株を2年前に購入しました。とても立派な株で誘引に役立っています。

やましち山野草店

やましち山野草店さんからも過去に2回ほど花芽が4つ以上ついた株を購入しました。こちらもいい感じで使用できています。

千草園芸

千草園芸さんからはキンリョウヘンは買ったことが無いのですが、珍しいクリスマスローズを何度も購入したことがあります。また、楽天の購入履歴を確認したら、朝倉山椒、ツワブキ、トゲナシタラノキ、赤花トチノキ、紅花キンモクセイなども購入していました。私がいつも贔屓にしているガーデンストーリーさんでは扱っていない、ちょっと珍しい木々や草花を購入させていただいており、とても助かっています。キンリョウヘンも取り扱いがあるようですので、チェックしてみてください。

【最重要】分蜂時期にドンピシャ!開花調整のテクニック

キンリョウヘンは自然任せにしていると、4月下旬〜5月に咲くことが多いです。 しかし、関東(神奈川など)の分蜂シーズンは、早ければ3月下旬、ピークは4月中旬頃です。

つまり、「自然開花より少し早く咲かせる」必要があります。ここで温度管理がカギとなります。

手順1:地域の分蜂時期を予想する

ニホンミツバチの分蜂は、その土地の「ソメイヨシノ(桜)」の満開の頃や満開から少し遅れて約1週間〜2週間後に始まると言われています。お住まいの地域の桜開花予想をチェックしましょう。また、週末養蜂さんの「分蜂マップ」アプリでチェックするのも良いでしょう。

手順2:開花を早める(目標開花日の40日〜50日前)

分蜂時期に合わせるため、キンリョウヘンのつぼみが膨らんできたら、室内に取り込みます。ただし、あまり暖房の効きすぎているリビングなどは避けます。

予想した分蜂時期に開花させるには、予想日の40日から50日前に取り込むと良いでしょう(例:目標4/1開花→2/10〜2/20取り込み)。

  • 置き場所: 日当たりの良い窓辺(レースのカーテン越し)。
  • 温度: 室内に置きますが、20度以上を超えないようにします。

手順3:開花を遅らせる(調整)

逆に「早く咲きすぎてしまいそう!」という場合は、涼しい場所へ移動させます。

  • 置き場所: 暖房のない玄関、北側の部屋、屋外の軒下など。
  • 注意: 10度以下になるような寒すぎる場所や、霜が降りる場所はNGです。

手順4:リレー式で咲かせる

複数鉢持っている場合は、「1つは室内で早めに」「もう1つは少し遅めに室内に」と室内に取り込む時期を変えることで、開花時期をズラすことができます。これで誘引期間を長くキープできます。

分蜂狙いの際の使い方と「ネット」の裏技

いよいよ開花し、待ち箱にセットする時のテクニックです。 ここで必須となるのが、「ネット」です。

なぜネットを被せるの?

ニホンミツバチがキンリョウヘンの花に潜り込み、花が受粉してしまうと、花は役割を終えたと判断し、すぐにフェロモンの放出を止めて萎れてしまいます。

開花期間を持続させ、より多くの探索蜂を呼ぶために、物理的に受粉させないようにネットを被せるのが鉄則です。

ネットを被せたら、匂いがしなくなって蜂が来ないのでは?

大丈夫です! フェロモンは気体としてネットの網目を通り抜けます。蜂は花そのものではなく、漂ってくる匂いに引き寄せられるので、ネット越しでも問題なく探索蜂が群がりますよ。

おすすめのネット、被せ方、設置方法

  • 使うもの: 野菜収穫用のネット(オレンジやグリーン)。100円ショップの大きめの洗濯ネットを使うこともできますが、穴が大きいと蜜蜂がすり抜けて入ってしまいますので要注意です。
  • 被せ方: 花茎全体をすっぽりと覆い、下を緩く縛ります。大きめのネットを使用してキンリョウヘン全体を覆っても良いでしょう。
  • 設置場所: キンリョウヘンは待ち箱の屋根の上、または待ち箱の巣門のすぐ隣に置きます。

来年も咲かせるために!栽培カレンダー

無事に分蜂が終わった後も、キンリョウヘンの管理は続きます。来年も良い花を咲かせるためのポイントは、「適切な施肥」、「夏の葉焼け防止」、「寒さに当てる」です。

時期管理のポイント
春(5月〜6月)花が終わったら花茎を元から切ります。
肥料を与えます。
大きくなった株は株分けすると良いでしょう。
夏(7月〜9月)成長期です。真夏は葉焼けを避けるため、風通しの良い半日陰に置きます。寒冷紗を使うのも良いでしょう。水と肥料をたっぷりと与えます。
秋(10月〜11月)肥料を止めます。もし与える場合は液肥が良いでしょう。水やりは少し控えめに。
冬(12月〜1月)【重要】 花芽を作るためには、一定期間の寒さ(10度程度)に当てる必要があります。過保護にして最初から暖かい部屋に入れると花芽が付きません。1月頃に花芽を確認してから、開花調整に入ります。

水やりの様子です。西日が当たって虹ができて綺麗でした。

まとめ:キンリョウヘンを活用して分蜂群をゲットしよう

キンリョウヘンは、ニホンミツバチ養蜂における「生きているルアー」です。

  1. 花芽付きの株を冬に入手する。
  2. 春の分蜂時期に合わせて、温度管理で開花時期を調整する。
  3. 開花したら必ずネットを被せて、花持ちを良くする。

この3つのポイントを押さえれば、捕獲確率はグッと上がります。 今年はぜひキンリョウヘンを活用して、春の分蜂シーズンを楽しんでください!

キンリョウヘンは上手に育てれば毎年使用できますし、株分けして増やしていけるのでトータルではお得ですよ。

(PR) もしキンリョウヘンの開花調整に失敗したら

キンリョウヘンで開花時期の調整に失敗したときは、市販の待ち箱ルーアーを購入するのがベストです。開封したら45日以上有効ですので、開花時期の調整を気にしないで良いのが楽です。

週末養蜂さんで、待ち箱、教材、蜜蝋、待ち箱ルアーが含まれる週末養蜂スタートキットが販売されていています(待ち箱ルアーは2月中旬に別送)。

また、待ち箱ルアー単品はこちらから購入できます。

週末養蜂さんから待ち箱ルアーの予約が始まっています。2026年は2月12日から発送予定とのことです。セット買いだと以下のように安くなるようです。5個セットはこちら(1つあたり200円安い)、10個セットはこちら(1つあたり400円安い)、15個セットはこちら(1つあたり500円安い)、20個セットはこちら(1つあたり550円安い)。まとめ買いして蜂友さんでシャアするのもよいですね。

複数の待ち箱ルアーのセット販売だと送料が無料になるのもよいですね。

\Amazonからも購入できます/

「待ち箱ルアー」は、京都先端科学大学発ベンチャー「京都ニホンミツバチ研究所」が製造しています。キンリョウヘンの誘引成分を分析し、同様の成分を人工合成した誘引成分を含む製品です。

日本特許出願の内容を確認したところ以下のようになっていました。実際にどのような組み合わせと量比で製造されているかは不明ですが、既に多くのニホンミツバチ飼育の愛好家に利用されていて、十分な実績があります。

3-ヒドロキシオクタン酸(= 3-HOAA)を含み、さらに以下の「女王物質あるいはロイヤルゼリー物質」群から1種以上を含む:
9-オキソ-2-デセン酸(9-ODA)
10-ヒドロキシ-2-デセン酸(= 10-HDA)
10-ヒドロキシデカン酸(10-HDAA)
9-ヒドロキシデセン酸
p-ヒドロキシ安息香酸メチル

好ましくは、3−ヒドロキシオクタン酸と9−オキソ−2−デセン酸を含む。更に好ましくは、 3−ヒドロキシオクタン酸に対する9−オキソ−2−デセン酸の混合比率が1〜10%。

参考記事

ニホンミツバチ飼育全般について以下の記事で詳しく紹介していますので、あわせて参考にしてください。

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参考:YouTube動画

私がニホンミツバチを飼育している様子をYouTube動画にしていますので、良かったらご訪問いただければと思います。

YoutTubeチャネルはこちらです。

南箱根の田舎暮らし – はちみつ果樹園だより

終わりに

ここまで読んでくださりありがとうございました。この記事が少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

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この記事を書いた人

自然に囲まれた場所で、果樹を育てたり日本蜜蜂を飼ったりしながら暮らしています。
田舎の暮らしも不便さばかりではなく、便利な道具や家電を取り入れることで、快適さと楽しさの両立を目指しています。
このブログでは、養蜂や果樹栽培といった趣味の実体験に加えて、暮らしをちょっと便利にしてくれる道具の紹介や、将来に備えた気軽なマネーの工夫についても発信しています。
田舎でも都会でも、暮らしを「ちょっと楽しく、ちょっと賢く」するヒントをお届けできれば嬉しいです。

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